ドライな関係を好むあなたへの、新たな提案

私はドライな人間である。
人のことや近所のことに興味がないし、絆とかみんなで協力して、、というのが嫌いだ。

ここ大野城に対しては…、ただ住んでるだけで愛着はない。

ふつうの大野城市民が集まり、自分の地元ネタをおしゃべりしながらラジオドラマに仕上げ、みんなで声優役をし、収録までしてしまう講座がある。

私は最後の収録場面に立ち会った。
参加者は11名。一人ひと作品。1分~3分程度の小話が続いていく。

そこで私の心をつかんだのは、意外にもウエットな、非常に人間くさい話であった。

たとえばこんな話。
断れない性格で、気が付けば地域の仕事を次々と押し付けられ、巻き込まれていくうちに面白さに目覚めていく男性。

―――断れない性格がゆえに次々にいろんな役を引き受けてしまい、一時は1人2役なんてことも。さらにはこの講座すらも誰かに頼まれて「断れず参加」してしまったらしい、、。なんという人の良さ。
3段落ちが面白すぎて、参加者も思わずクスクス笑ってしまう、、、。

なんというチャーミングな人柄。
作品が終わると、作者ご本人はそっと眼鏡をはずして涙をふく、、。

そして観客の私は…
「『自分でこの性格、どうにかせないかん』と思ってるけど、『どうにもならないんだよね~』と困ってそう。でも、それが地域のみんなの助けになってたんですよ!本当にすごいことですよ!」とか励ましの声をかけたいような気持ち。
いつのまにか、ドライな私がウェットな人間を応援する立場になっている。

そして、こんな話もある。
23年前、子供会で太鼓を教えてやりたかったが先生が見つからず、断念。でもあきらめきれず、親父4人が立ち上がり、沖縄エイサーを見つけ、演舞ビデオを自分たちで撮ってそれを題材に子供たちに教え、大文字祭りで沖縄エイサーをやるようになった。それが今も、伝統として残っている、、。

読み終わったその親父の顔は、誇らしげであった。
それはそうだ。23年続いた地域の伝統を自分たちで作り上げたのだから。

「地域の子供たちのために頑張ったこと、それが良い地元の文化となり受け継がれてきたこと」は本当に素晴らしいと私も感じた。
もう、中身は完全にウエットな人間になってきている、ようだ。

他にはこんな話。
いろんなボランティアを経験し、自ら消防団にまで入隊してしまった女性。
活動は正直大変だ。でも、地域に恩返ししたいという気持ちで取り組んでいる。なのに、自分では何もやらない人に限って「どこにでもしゃしゃり出て…」と口々に非難する。
そこで、女性は悩む。…が、ある人の言葉で救われる。
「自分がやらないことを正当化する人の非難は聞く必要がない」
そうだ!私はこれからも突っ走るんだ!頑張れー!」という話。

最後の頑張れ~!の声は参加者みんなで力強く読み上げていた。
ものすごく気持ちのこもった「頑張れ~!」だった。

参加者みんなの晴れ晴れとした顔。すがすがしい。
みんなの人知れず重ねてきた努力が浮かばれた瞬間、という感じ。

私も同じく、「頑張れ~~」と本気で思った。
人知れず頑張る女性を尊敬する気持ちが生まれていた。

ちなみにこの講座は、芸術文化振興を目的とした市民講座である。

「創造により人の心を動かすこと」が芸術だとすると、
この講座でつくられた作品たちは、立派な芸術となりえていると感じた。

レポーター:シャンティ

北地区ラジオドラマワークショップ(録音)を聞いて

はじめに、このラジオドラマ作品の作製に関わり完成に至る迄の皆さんの御苦労や御努力は幾許で在ったことか、その並々ならぬ熱意を想えば頭の下がる思いを抱きました。
参加された大方の方々に取って初めての体験の連続で在ったであろうと推察
します、それが功を奏してかリスナー側と距離感も少なく、身近な話題であることもあり気楽な気分で拝聴できた点は良かったと思います。
 ただあえて辛口な批評をすれば、ドラマ全体を通してのテーマが不明確では無いかと思います。其々の作品も十人十色で作品同士の繋がりも無く、ただ雑然とした作品の寄せ集め感を抱いてしまいました。
 このラジオドラマを拝聴して、何を感じ取るかはリスナー側も十人十色なのでしょうが、私がまず抱いた感想は、このラジオドラマは何が言いたいのだろうか?作品に込められたメッセージは何かと言うことでした。
 然しながら録音された作品を繰り返し聞いてみて、新な思いに至りました。
この作品の狙いの一つに、ラジオドラマ作製を機会として市民同士の人的な繋がりの輪を築く狙いが有るのではないか?と言うことです。何事で有っても市民同士の新たな出会いと、共同作業で育まれる地域の安寧的成果は、大いに期待出来るものではないかと思います。
 またこのラジオドラマを聞いたリスナー同士の話題提供となり、地域コミュニティー力の活発化に繋がる一助と成りえるのでは無いかと思い至ったのです。身近な話題を取りまとめた、市民の手作り感満載のラジオドラマこそが、
成しえる偉業とも言えるのではないかとの思いに至りました。
実を言えば私は、今年度のこのラジオドラマ制作に参加希望を提出しながら怪我により断念しました、もしも許されるならば来年度こそ参加してみたいと思っています。

レポーター:ひこじぃ

※本記事の情報は2026年3月26日時点のものです